地方型農園と都市型農園の違い

農園型障がい者雇用支援サービスは、大きく地方型と都市型に分けられます。まずは地方型農園について、その特徴やメリット・デメリットなどをお伝えしましょう。

この記事で分かること
  • 地方型農園|使用料などのコストを抑えられる
  • 都市型農園|通勤が容易になりやすい
  • 地方型と都市型の特徴をよく把握して選ぼう

地方型農園の特徴

社会貢献につながる地方型農園の利用

民間企業に就労している障がい者の約61.2万人のうち、身体障がい者が全体の約60%を占め、精神障がい者や知的障がい者の就労がまだ大きく進展していないことや、就労している障がい者の多くが企業の本社が集中している都市部に在住している状況があります。

そもそも、地方には障がい者雇用義務を負っている規模の企業が少ないという現実があります。従業員43.5人以上の企業が該当しますが、そうした企業が少ない地方では、障がい者が一般就労している割合も低くなっています。

もちろん、地方にも一般就労を希望する障がい者が多く生活しています。企業として地方型農園を利用するということは、そういった障がい者に一般就労の機会を提供することにもなります。これは都市部と地方の雇用格差の解消+幅広い障がい者の就労機会の拡大に寄与するともいえるのです。

相対的なコストメリットがある

都市部と比較して地方は不動産コストが低いことから、農園の使用料も都市部より地方のほうが安くなると考えられ、相対的なコストメリットが地方型農園にはあるといえそうです。

都市型農園の特徴

障がい者の通勤が容易

都市型農園と地方型農園の最大の違いは、農園所在地です。都市部は公共交通機関が整っているため、障がい者が職場へ通勤しやすいというメリットがあります。農園で働く障がい者の雇用管理は企業が行なうため、単純に近ければ直接現地を訪問しやすく、運営にも関与しやすいといえます。

また、採用担当者や管理者だけでなく、一般社員も農園に訪れやすいというのも特徴のひとつです。障がい者雇用における自社の方針を社員に伝え、浸透させるための研修の場が設けやすいというのは、距離の近さがもたらすメリットといえそうです。

採用に時間を要する可能性がある

都市部は障がい者雇用に積極的な企業も多く、地方の就労環境とは差があります。一般就労している方の割合も地方より高く、それだけ障がい者を新たに採用するのは難しいという見方もできるでしょう。

都市型農園サービスの利用を進めたくても、肝心の障がい者の採用に時間がかかるという可能性も否定できません。

まとめ

民間企業に就労している障がい者の約6割が身体障がい者で、精神障がいや知的障がいを持つ方の就労が大きく進展していないのが現状です。地方には、従業員43.5人以上の企業が少ないことから、障がい者が一般就労している割合も低いです。

しかし、地方にも一般就労を希望する障がい者が多く生活しているため、企業として地方型農園を利用すると、そのような障がい者に一般就労の機会を提供することにつながります。

地方型と都市型のメリットを見てみると、地方型農園は使用料が安く抑えられるなど、コスト的なメリットが得られます。都市型農園は、交通機関が整備されているため障がい者が職場へ通勤しやすいのが大きなメリットです。農園の利用を検討する場合、両者の特徴をよく把握して選ぶ必要があります。